2018.8.2
自分は農業とは無縁の生活をしているけれど、身内が亡くなったときに、農地を相続して困ってしまうという話はよく聞きます。お問い合わせも多いです。農業をしていないから、農地を管理することが難しく、どうしていいのか分からなくなる為です。
農地を処分せずに、しかし相続人が耕作をすることなく有効に活用する方法の1つとして、市民農園があります。ここでは、この市民農園について紹介します。
市民農園とは、主に都市部の住民が余暇を目的として、自家消費用の野菜や花を栽培したり、農作業を体験したりする小面積の農園のことです。市民農園は、農地を区割りして利用者に貸し出す「市民農園型」と、利用者に農業を体験させる「体験農園型(農園利用方式)」の2種類に分かれています。
市民農園型の市民農園を開設するためには、「特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律(特定農地貸付法)」に基づく方法と、「市民農園整備促進法」に基づく認定を受ける方法があります。
特定農地貸付法において、市民農園を開設する主体者は、以下の4者があります。
以下に、上記3について述べます。(後日、4についても紹介しようと思います。)
農地所有者が市民農園を開設しようとする場合には、要件を満たしていることを前提として、農地の所在する市町村と貸付協定を結ぶとともに、貸付規定を作成します。そして、貸付規定と貸付協定とを併せて農業委員会に申請し、承認を受けます。
承認が得られれば、市民農園の利用予定者への貸付けについては農地法第3条の許可が不要となります。その一方で、市民農園を利用する人のために、トイレや休憩所などの施設を設けようとするときは、別途、農地法に基づく農地転用手続きが必要になります。
農地の貸付けと施設の設置を一体的に行いたい場合には、市民農園整備促進法によることになります。
特定農地貸付法による、市民農園を開設しようとするときの要件