市民農園②

2018.8.2

 

市民農園は、農地を処分せずに、しかし農地を承継した者が耕作をすることなく有効に活用する方法の1つです。

 

市民農園として、農地の貸付けとトイレや休憩所などの施設の設置を一体的に行いたい場合には、市民農園整備促進法によることになります。

 

ここでは、市民農園整備促進法による市民農園の開設について紹介します。

市民農園整備促進法による市民農園の開設

トイレや休憩所などの附帯施設が整った市民農園の整備を促進するために、「市民農園整備促進法」があります。

 

市民農園整備促進法における「市民農園」とは、

①特定農地貸付けされた(特定農地貸付法第2条2項参照)農地または体験農園型(農地利用方式)で農作業の用に供された農地と、

②農地に附帯して設置される農機具収納施設や休憩施設その他の当該農地の保全または利用上必要な施設

の2つが整備されているものと捉えられます。

 

そのため、同法に基づいて市民農園を開設する場合には、農地だけではなく、市民農園施設の整備が前提となります。

市民農園整備促進法に基づく市民農園開設の手順

まず、都道府県知事が市民農園の整備の基本的な方向性や市民農園区域の設定に関する事項等を内容とする「市民農園の整備に関する基本方針」を定めます。  

 

続いて、市町村はこの基本方針に基づき、一定の区域を市民農園区域に指定します。

 

市民農園区域の指定は、市街化区域外について必要とされていますが、市民農園に指定しようとしている区域が市街化区域となっている場合は不要です。

 

そして、市民農園を開設しようとする者は、市民農園の用に供する土地の所在、市民農園の整備に関する事項、市民農園の運営に関する事項等を記載した整備運営計画を作成の上、その所在地を管轄する市町村に申請し、認定を受けることになります。

 

認定を受けると、特定農地貸付法における農業委員会の承認を得たとみなされ、市民農園を開設できるようになります。

 

認定をされた者は、農機具収納施設や休憩施設を整備するとともに、特定農地貸付法に準じて市民農園を開設するか、または体験農園型の手順を踏んで市民農園を開設することになります。

 

施設の設置は必須であるため、農地法による転用許可が不要となるほか、一定の市民農園施設に係る開発行為等については、都市計画法に基づく開発許可及び建設許可がされることとなっています。