2026.2.2
農地を駐車場や資材置き場にしたり、住宅や店舗を建設したりする際には、「農地転用」の許可が必要です。
農地は、農業による食料生産の基盤であるため、農地転用は厳しく規制されています。
では、農業のために必要な施設(農業用施設)を建てる場合はどうなるのでしょうか?
「農業のためだからいらないのでは?」と思われるかもしれませんが、実はきちんとしたルールがあります。
ここでは、農業用施設のための農地転用について詳しくご案内していきます。
農地法第4条では、「農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(または指定市町村)の許可を受けなければならない」と定められています。
ここでいう、「農地」とは、耕作の目的に利用される土地のことです。
農業用施設は農業のための施設ですが、「耕作」そのものに利用する土地ではないため、農地以外のものとみなされます。
したがって、原則として農地転用の許可が必要です。
実は、農地法第4条には、「許可が不要な場合」という例外規定があります。(農地法施行規則第29条)
許可が不要となる場合:
つまり、200㎡未満の小さな農業倉庫や作業場であれば、農地転用許可を受けることなく建設することが可能です。
ただし、200㎡以上の場合や、施設建設のために土地の所有権移転(売買など)あるいは賃借権の設定を伴う場合は、通常どおり、農地転用許可の手続きが必要になります。
特例が適用される「農業用施設」の範囲は、農林水産省の通知によって以下のように細かく定められています。
| 分類 | 具体例 | |
| 対象となる施設 | 農地の保全・利用増進に必要な施設 | 農業用道路、農業用用排水路、防風林など |
| 農畜産物の生産・集荷・調製・出荷に利用する施設 | 畜舎、温室、植物工場、農産物集出荷施設、農産物貯蔵施設など | |
| 農業生産資材の貯蔵・保管に利用する施設 | たい肥舎、種苗貯蔵施設、農機具格納庫など | |
| 一体的なら対象となる施設 |
耕作や上記施設の管理に必要な駐車場、トイレ、更衣室、事務所など (農業用施設に附帯する太陽光発電設備を農地に設置する場合も一定条件で含まれます。) |
|
| 対象外の施設(転用許可が必要) | 農産物加工場、農産物販売施設、農家レストラン、農家住宅など | |
つまり、農業倉庫やトラクターなどの格納庫は農業用施設に含まれます。
一方、農産物の加工場や農産物直売所、農家レストラン、農家のための住宅は農業用施設には含まれません。
建設予定地が「農用地区域内(通称:青地)」に該当する場合は、さらに別の法律(農振法)のルールが加わります。
青地は、国から「今後も農業として利用していくべき土地」として厳格に守られている区域です。
通常、青地には建物が建てられませんが、農業用施設に限っては農地利用計画において指定された用途であれば、例外的に認められます。
※青地に農業用施設を建てる場合、農地利用計画に指定された用途に変更するため、「軽微変更」の手続きが必要となります。この手続きについては、[農業振興地域内の農地転用 ー農振除外と軽微変更の手続きー]で詳しく紹介しています。
ただし、以下の面積の基準に注意が必要です。
農業用施設を建てる際の農地に関する手続きをご紹介してきましたが、まとめると以下のとおりです。
※別途、都市計画法の手続き(開発許可)や建築基準法の手続き(建築確認申請)が必要となる場合があるので、各担当部署へ事前に確認しましょう。
| 敷地面積(通路含む)※1 | 農地転用の許可 |
| 200㎡未満 | 不要※2 |
| 200㎡以上 | 必要 |
※1:「200㎡」は、施設の面積ではなく、敷地面積です。例えば道路から施設までの通路などの面積も含むので注意してください。
※2:許可不要でも、「農業用施設の設置届」などの手続きが必要となります。無断で着工すると違反転用となるおそれがあるため、必ず事前に農業委員会に相談しましょう。
| 施設面積 | 農振法の許可 |
| 90㎡以下 | 不要 |
| 90㎡超 | 必要 |
※軽微変更の手続きは、農振法の許可が不要・必要のいずれの場合でも必要となります。
農地に農業用施設を設置することをご検討の方は、お困りのことがありましたら、ご遠慮なさらずお問い合わせください。
個別のケースに合わせて親身にご相談を承ります。
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